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座席の配置による意外な効果

設計の石田です。 

 

今回は旅ネタ無しなので建築計画の話で。 

我が社も新しくなり数ヶ月が経ちましたが、そこである気づきがあり今回はそのお話を。 

それは… 

 

座席の座り方 なんです。

 

建築で空間の配置計画に「ソシオペタル」と「ソシオフーガル」と言う考え方があります。 

(その間をとった「ソシオヘロタル」なんていうのもあります) 

 

建築計画の分野で学ぶ内容ですが、テスト問題としては次のような感じで出題されます。 

 

「ソシオペタルは、複数の人間が集まったときに、異なる方向に身体を向けて他人同士でいようとするような位置関係をいう。」 

○か×か? 

 

ソシオペタル=向かい合う配置
ソシオフーガル=顔を合わせない配置 

なので、この問題は×ですね。 

 

例えば駅や病院の待合せ室など、見知らぬ人同士が集まる場所のベンチの配置なんかはソシオフーガルで計画されていたりします。 

テストでは単純に2つを覚えるだけなので、テスト暗記で終わっている人も多いかと思います。 

私自身も、昔 語呂合わせで覚えたきりで使うことはほとんどありませんでした。

 

それが今回、職場の机の配置が変わってちょっとした気づきがありました。 

 

一般的なオフィスでは対面配置のソシオペタルの座り方が多いのではないかと思います。 

私も今までずっと職場の座席配置はソシオペタル型でしたが、今回社屋が新しくなりソシオフーガル型になりました。 

ソシオペタルはコミュニケーションを求めるタイプの座り方なので、みんな顔を合わせて座ることになります。 

コミュニケーションが取りやすい反面、「自分だけ先に帰りづらい」という雰囲気がありました。
仕事がひと段落しても、周りに合わせてなんとなくダラダラ残ってしまう…。
帰れるのに遅くまで仕事している人、心当たりありませんか? 

 

ところが今回ソシオフーガル型となり、互いに干渉を求めないタイプの座り方なので視界の前は壁です。 

会話するのも基本的に隣の人だけで、他の人の目線は視界に入ってきません。

 

そこで新しい発見がありました。 

 

帰れる時に帰りやすい! 

 

周囲を気にせず自分が帰れる時にササっと帰りやすい。 

言葉で先に学んでいた建築用語が実際の“形”になって初めて実感できたのでした。 

2025.12.15