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パッシブデザインで叶える、家で過ごす時間が最高に気持ちよくなるポイントとは?

記録的な暖冬となった昨年とは異なり、冬らしい寒さの日が多くなるらしい今年の冬。「ほぼ平年並み」という見通しですが、暖かかった昨年との比較で、より一層寒く感じるかも。家づくりには、寒い冬でも暖かく過ごせるように考えられた技術がたくさんあります。その一つが、大掛かりな設備を用いることなく、設計の工夫で快適に過ごせるようにした、パッシブデザイン。今回はそんなパッシブデザインを、新築、リフォーム・リノベーション、暮らしに簡単に採り入れることができるプチ提案をご紹介。お家で過ごす時間が最高に気持ちよくなるアイデアとして、参考にしてください。

 

環境先進国ドイツで生まれた、快適さを追求しながらも地球環境にやさしい家づくり

パッシブデザインで叶える、家で過ごす時間が最高に気持ちよくなるポイントとは?

「寒さなんて気合の問題。昔の人は…」とガマンを強いるのではなく、やっぱり快適に過ごしたい。とは言え、月々の光熱費は抑えたいし、地球温暖化などの環境問題も気になる方におススメなのが、パッシブデザイン住宅。太陽の光や熱、風といった自然のエネルギーを取り込み、エアコンなどの機械になるべく頼らず一年中快適な住まいづくりをするための設計手法を取り入れた住まいです。環境先進国ドイツで生まれ、各地の気候風土にあわせて進化しながら、世界中で普及しはじめています。

 

ちなみに「パッシブ」とは受身の状態であること。自然のエネルギーを受動的に、そして上手に利用する考え方をパッシブデザインと呼びます。その反対は「アクティブ」。機械設備を用いて自然エネルギーを生活に用いる仕組みを「アクティブシステム」と呼びます。

 

「アクティブシステム」には、太陽熱を積極的に利用するソーラーシステムやエコキュート、エネファームなどがあり、いずれも装置が必要となります。一方「パッシブデザイン」は、地球に暮らす私たちに平等に与えられた光や風を上手くコントロールする技術と設計手法。特別な機械や装置は必要とせず、いくつかの手法を組み合わせることで、冬は暖かく、夏は涼しく過ごせるため、電気やガスの使用量を減らし、省エネルギーで快適な暮らしを実現します。

 

太陽の光、自然の風。地球に生きるみんなに等しく与えられる「自然の恵み」を活用

パッシブデザインで叶える、家で過ごす時間が最高に気持ちよくなるポイントとは?

自然の力を活かし、コントロールし、快適な空間を実現するパッシブデザインの手法には、「集熱」「熱移動」「蓄熱」「排熱」「日射遮蔽」などがあります。

 

「集熱」「日射遮蔽」

太陽の高さは季節や時間帯によって変化するため、軒の長さを調節すれば、夏の強い日差しを遮り、冬の日射を部屋の奥深くまで届けることができます。

 

「蓄熱」

陽当たりのいい南側の窓を大きくして、天井や床に蓄熱効果が高い建材を使えば、熱を効率よく蓄えることができます。

 

「排熱」

昼間に吸収した熱を夜間に放出するようにすることで、室温を一定に保ちます。

 

「太陽の光は季節によって角度を変える」「暖かい空気は下から上へと移動する」「冷たい空気は上から下へと移動する」といった自然の法則を上手く利用して快適に過ごせる家にしよう、という考え方です。これらを実現するためには、家そのものに優れた断熱性能が必要となります。

 

新築×パッシブデザイン。敷地を読み解き、窓の大きさや配置、間取り、断熱性能がポイント

パッシブデザインで叶える、家で過ごす時間が最高に気持ちよくなるポイントとは?

新築や建て替えの際にパッシブデザインを採り入れるなら、敷地上の配置、性能、形状、窓の大きさや配置、窓まわりに設ける部材、間取りなど、建物自体のあり方から考えます。周囲の自然エネルギー(太陽、風、地熱)を最大限に活用することで、快適な住環境をつくります。

 

リフォーム・リノベーション×パッシブデザイン。窓の新設や交換で、光、熱をコントロール

パッシブデザインで叶える、家で過ごす時間が最高に気持ちよくなるポイントとは?

リフォーム・リノベーションでパッシブデザインを採り入れるなら、採光窓やガラスブロックなどを用いて、家の中に光を採り入れましょう。間取りによっては家の奥にまで光が届かないケースもあるため、室内窓、トップライト(天窓)、可動間仕切りなどを活用することで、家の隅々にまで光が届くように調整します。

 

断熱性能を向上させる点においても、窓は重要なポイントです。インナーサッシ(二重窓)にすることで、窓と窓の間に熱を蓄えることができ、外気温による影響を和らげます。通常、夏場は太陽からの日射熱が88%なのに対し、インナーサッシを用いた家では39%までに抑制が可能になるなど、効果は絶大。加えて防音効果もあります。

 

さらに、使用する素材に自然素材を用いる方法も。例えば、藻類の一種である珪藻の殻の化石がつくる堆積物(堆積岩)からなる珪藻土には、たくさんの小さな穴があり、部屋の状態に合わせて水分を吸収・放出する調湿機能に優れています。消臭効果にも優れているため、ペットを飼っている家や、喫煙、油を使って調理することが多いご家庭にもおススメです。

 

今見直される、昔からあった暮らしの知恵。ちょっとした工夫で、最高に気持ちいい空間をつくる

パッシブデザインで叶える、家で過ごす時間が最高に気持ちよくなるポイントとは?

家で過ごす時間が増えた今、住まいを快適に、心地よく感じられるようにしたい、という人が増えています。それなら、パッシブデザインのエッセンスを暮らしに採り入れてみましょう。

 

お天気の良い日中は、陽だまりができる窓辺で過ごす。陽が暮れてきたら早めにカーテンを閉めて、熱を逃さないようにする。カーテンは厚めのものに変えて、床まで届くものにする…などなど。窓ガラスに断熱シートを貼ると、二重サッシに近い断熱効果が期待できます。できるだけ家族みんなが同じ部屋で過ごし、鍋料理を一緒に囲むなど、積極的に冬らしい過ごし方を楽しみましょう。

 

まとめ

パッシブデザインで叶える、家で過ごす時間が最高に気持ちよくなるポイントとは?

どんな家も、周囲の環境の影響を受けながら存在しています。そしてその環境は、ひとつとして同じ条件ではありません。陽の当たり方や風の通り道を意識し、窓の配置や性能についても配慮することが快適につながります。太陽や風のエネルギーは、すべての人に等しく、無限の恵み。それを最大限に活かすパッシブデザインの家づくりにぜひ挑戦してみてください。

2020.10.27

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