人生で最も高額な買物であり、一生に一度とも言われる一大イベントでもある家づくり。一般的には、30代後半までに住宅ローンを組み、一生をかけて家づくりを行うイメージが。安心・安全・快適に過ごせる家を建てるためにも、後悔のない依頼先を選んで…というのが定説です。その一方で、1000万台ちょっとで手が届く一戸建て住宅もあります。大きな買物となるだけに、コストの違いが気になりますね。使用される素材や性能、家づくりのプロセスに大きな違いがあるのでしょうか?今回はそんなローコスト住宅について書いてみたいと思います。
「1000万円台だなんて住宅の建築コストとしてはかなり安いけど、他の家づくりとは何が違うのかな?」「地震や台風などの災害が遭った際、家族を守ってくれる家なのかな?壊れたりしないのかな?」「現場の職人さんたちの技術やマナーが不安。雑な施工で品質に問題があるとか、住み心地が悪いとかはないのかな?」ローコスト住宅にはそんなギモンや不安が。ハウスメーカーや工務店の担当者に面と向かって聞きづらい質問ですが、ローコストにはそれなりの「理由」があるはず。そして、その理由について、しっかりと説明できる会社でないと不安です。すべてのローコスト住宅がダメなわけではありませんが、ローコスト住宅で起こりがちなこと、ありがちなことを把握できるよう、気になることをすべて書き出してみましょう。そして、その対策についてもできる限り事前に調べておくことをおススメいたします。「想定内」のことであれば、納得して選ぶことができるからです。
土地の取得費用や、それに伴う付帯工事費用などを差し引いて、建物の本体価格だけを考えたとしても、注文を言えば言うほど、コストが嵩むのが注文住宅。使用する素材や設備、工法、性能にこだわるなら、それもまたコストアップ。そのため、どの会社にも、家づくりの目安となる、広さや部屋数を基準に考えられた「標準仕様」や「坪単価」というものがあります。一般的な注文住宅の坪単価は60万円以上だと言われていますが、ローコスト住宅の場合、坪単価は30~55万円ほど。延床面積35坪程度の家を建てるのであれば、建物の本体価格は1000万円台で収まります。
一般的な注文住宅の半額程度とも言える、坪単価は30~55万円で実現するローコスト住宅。延床面積35坪程度の家を建てるのであれば、建物の本体価格は1000万円台という手頃さは、とても魅力的です。でも、そもそものギモンとして、ローコスト住宅はなぜ安くできるのでしょう?
理由その1。間取りや仕様を規格化している
白紙の状態から何度も打ち合わせを重ねて、プロの建築士やインテリアコーディネーターも交えて議論した果てに造り込んだ家づくりは、それだけ時間も手間も人件費もかかります。現場の職人たちも、凝ったプランをカタチにし、新建材を使用するとなれば、手間も技術も必要に。そこで、ローコスト住宅では、あらかじめ間取りや仕様を規格化し、その中から「選ぶ」ことで工程を簡略化。必然的に、シンプルな家がいい、という方に適しています。
理由その2。建材の数が少ない
壁や扉で細かく仕切る家は、その分、壁や扉の材料(建材)が必要になります。つまり、キッチン、ダイニング、リビングがゆるやかにつながる大空間は、建材の数は少なくて済みます。壁の量、ドアの枚数、収納、収納の扉なども、追加すればするほどコストアップ。そのため、ローコスト住宅では必要最小限。一戸建て住宅でもマンションのようなフラットな大空間にし、住む人のセンスで自由にアレンジをするケースが多いのも、ローコスト住宅の特徴です。
理由その3。材料を一括仕入れ&一括生産
一邸一邸、使用する柱1本1本を、棟梁が丁寧に鉋をかけて…という家づくりではなく、建材は自社工場でまとめてプレカット。使用する材料を一括仕入れ、一括加工することで、原価を圧縮することが可能となります。人件費についても、特別な技術がなくても施工ができる仕組みや、オンラインを活用した非対面での商談、ネット上でのプラン決めや色決め、打ち合わせ回数の制限など、現場やスタッフの負担をなくすことで人件費を抑えてローコスト住宅を実現している会社も。そのため、「一生に一度なのだからワガママを言いたい」「手取り足取り、いろいろとサポートしてほしい」という方には、ものたらないかもしれません。
「マイホームは欲しいけど、頭金などの貯蓄が少ない」「子どもの教育費を考えると、住宅購入資金は限られている」といった若い方や子育て世代の方々でも、無理をせずにマイホームが実現するローコスト住宅。土地取得から始める方も、予算の都合で建物の建築コストを抑えたい場合なども、検討してみてもいいかもしれません。一方、「いろいろこだわりたい」「いくつかのパターンから選ぶのではなく、わが家のために設計してほしい」「丁寧に打ち合わせを重ねて進めたい」というこだわり屋さんは後悔するかもしれませんね。自分たちの家づくりのイメージを今一度考え、価格はもちろん大事ですが、価格だけで選ぶのではなく、メリット・デメリットを理解して選ぶことをおススメいたします
2020.12.22
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