COLUMN コラム

コラム

大阪市民必見! 耐震工事は賢く補助金を利用しよう

環太平洋変動帯に位置する日本にとって、どこに住むにしても、地震に備える必要があります。 近い将来発生すると指摘されている大規模な地震としては、南海トラフ巨大地震、首都直下地震などがあります。また、これらの大規模な地震以外でも、地震はどこにでも起こる可能性があります。 地震から命を守るためには、住まいが壊れないことが重要になります。 大阪府や大阪市では、耐震化の必要性の理解や着手の手助けとなるような普及啓発や支援を実施しています。 その一つが、耐震診断・改修等の補助金制度。 賢く利用することで、安心・安全の住まいづくりを計画しましょう。  

どこでも起こる大規模地震。大阪市内も要注意

2018年6月、M6.1 の大阪府北部地震が発生。 最大震度6弱を大阪市北区高槻市枚方市茨木市箕面市で観測しました。 その後も、全国の様々なエリアで地震は発生しており、大阪市を中心とする関西圏では、近い将来、南海トラフ巨大地震や上町断層帯地震など、大きな影響を及ぼすと考えられている地震等の発生が危惧されています。 そこで大阪市は、2016年3月に策定(2021年3月改定)された大阪市耐震改修促進計画に基づき、建築物の耐震化の促進に取り組んでいます。

 

耐震診断、耐震改修設計、耐震改修工事、耐震除却工事

住まいの耐震化を進めるうえの第一歩は、今のお住まいの「耐震診断」を実施すること。 耐震診断では、建築士等の専門家が現地調査を行い、お住まいの建物の地震に対する安全性を確認します。 「耐震診断」の結果、耐震性が不足していた場合は、「耐震設計」で改修方法を検討することになります。 そして、改修方法が決まれば、「耐震改修工事」を実施。 安心・安全に暮らせるために必要な撤去工事や補強工事など大掛かりな工事が行われますので、費用面が心配ですよね。 大阪市では地震に強い安全な街づくりを目指し、2025年における民間住宅の耐震化率を95%とすることを目標に、耐震診断・耐震改修設計・耐震改修工事に要する費用の一部を補助する制度を設けています。     【補助内容】 耐震診断
  • 補助率: 診断に要する費用の10/11以内
  • 限度額: 1戸につき5万円、1棟につき20万円
  条件
  • 大阪市内にある民間住宅であること
  • 平成12年5月31日以前に建築された住宅であること
  • 店舗等の用途を含む併用住宅は、半分を超える床面積が住宅であること
  • 過去に国または大阪府並びに大阪市の同様の補助制度を活用し実施されたものでないこと など
  耐震改修設計
  • 補助率: 改修設計に要する費用の2/3以内
  • 限度額: 1戸につき10万円、1棟につき18万円
  条件
  • 大阪市内にある民間住宅であること
  • 平成12年5月31日以前に建築された住宅であること
  • 店舗等の用途を含む併用住宅は、半分を超える床面積が住宅であること
  • 過去に国または大阪府並びに大阪市の同様の補助制度を活用し実施されたものでないこと  など
  耐震改修工事
  • 補助率: 改修工事に要する費用の1/2以内
  • 限度額: 1戸につき100万円
  条件
  • 大阪市内にある民間住宅であること
  • 平成12年5月31日以前に建築された住宅であること
  • 店舗等の用途を含む併用住宅は、半分を超える床面積が住宅であること
  • 過去に国または大阪府並びに大阪市の同様の補助制度を活用し実施されたものでないこと
  • 申請者の年間所得が1,200万円以下であること
  • 市民税、固定資産税、都市計画税を滞納していないこと  など
  耐震除却工事(耐震診断の結果、各階の上部構造評点が0.7未満と判断された住宅を除却する工事)
  • 補助率: 除却工事に要する費用の1/3以内
  • 限度額: 1戸につき50万円、1棟につき100万円
条件
  • 大阪市内にある民間住宅であること
  • 平成12年5月31日以前に建築された住宅であること
  • 店舗等の用途を含む併用住宅は、半分を超える床面積が住宅であること
  • 過去に大阪市の補助金の交付を受けて耐震改修工事を実施していないこと
  • 申請者の年間所得が1,200万円以下であること
  • 市民税、固定資産税、都市計画税を滞納していないこと  など
  ※1 それぞれ別途床面積による上限があります。 ※2 補助金交付申請の戸数が予定戸数に達した場合は、受付を停止・終了することがあります。 ※3 令和4年度以降の大阪市耐震診断・改修補助事業については未定です。    

耐震性の向上のためでも補助金の対象外もあり

地震に強い安全な街づくりを目的とした耐震工事(耐震診断・耐震改修設計・耐震改修工事・耐震除却工事)に必要な費用の一部を補助する制度のため、外壁の改修工事や屋根の改修工事のみを行う場合や、設備の交換、内装のリフレッシュ工事は本補助制度の対象外です。 とは言え、壁補強工事と同時に行う外壁のひび割れ補修や屋根の軽量化については補助対象となる場合がありますので、詳しくは工事を依頼する工務店までご相談ください。      

「ついで」がチャンス!依頼先の工務店に相談を

住まいの老朽化やライフスタイルの変化などでリフォームやリノベーションを計画されているなら、その工事に合わせて耐震改修工事を行うと一石二鳥。 費用面や労力面での負担が軽減。 叶えたい空間に合わせて様々な工事方法がありますので、依頼先の工務店に相談してみましょう。 また、中古住宅(既存住宅)を購入するタイミングも、耐震診断や耐震改修工事のチャンスです。 住宅の条件によっては税制面での優遇措置などがあるため、自己負担額を軽減することが可能に。 こちらも不動産会社や工務店に相談してみましょう。    

2021.12.27