値上げラッシュは新築やリフォームを行う建築業界も同様です。
予算内で収まるように仕様を下げたり素材を変えたりしがちですが、長く住む家ですので慎重に。
建築時のコストだけではなく、入居後の暮らしも考えて、快適に過ごせる性能や光熱費も視野に入れて進めましょう。
国も、目指す社会に合った家づくりのためには、補助金や助成金が利用できるようにサポート。
地球環境にやさしいネット・ゼロ・エネルギーハウス(省エネ基準比20%以上かつ再生可能エネルギーによって住宅の一次エネルギー収支ゼロを目指す住宅。以下ZEH)の促進に努めています。
そこで今回は、2023年に利用できる補助金をご紹介します。
ポイントは、環境への影響が少ない省エネ性能の高い家。
対象となる住宅や補助金をご紹介しますので、この機会に、快適かつ省エネ、地球環境にも配慮した性能のいい家づくりに注目してみましょう。
こどもエコすまい支援事業は国土交通省による補助金制度です。
エネルギー価格高騰の影響を受けやすい子育て世帯・若者夫婦世帯※による高い省エネ性能(ZEHレベル)を有する新築住宅の取得や、住宅の省エネ改修等に対して支援することにより、子育て世帯・若者夫婦世帯等による省エネ投資をサポートし、2050年のカーボンニュートラルの実現を図る事業です。
注文住宅や新築住宅を取得する子育て世帯または若者夫婦世帯や、リフォームを行う世帯。
ZEHレベルの高い省エネ性能を持つ住宅や、一定のリフォームを行う全世帯が対象です。
※ 子育て世帯(18未満の子どもがいる)、若者夫婦世帯(申請時にどちらかが39歳以下)
【支援対象】
子育て世帯・若者夫婦世帯による高い省エネ性能(ZEHレベル)を有する住宅の新築。
または、住宅の省エネ改修工事等。
【補助額】
新築の場合は100万円/戸。
改修工事等の場合はリフォーム工事内容に応じて定める額。上限30万円/戸(※)
※子育て世帯・若者夫婦世帯は上限45万円/戸(既存住宅購入を伴う場合は60万円/戸)
※安心R住宅の購入を伴う場合は、上限45万円/戸
ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス実証事業は経済産業省・環境省による補助金制度です。
ZEH、ZEH+、次世代ZEH+、次世代HEMSなどの高性能住宅が補助金申請の対象になります。
要件を満たす住宅を、ZEHビルダーまたはプランナーとして登録されている施工会社に依頼するとZEH補助金を受け取ることができます。
【対象となる住宅と支給上限額】
ZEH住宅 1住戸あたり55万円
ZEH+ 1住戸あたり100万円
次世代ZEH+ 1住戸あたり100万円
次世代HEMS 1住戸あたり112万円
新築以外にも既存一戸建て住宅の断熱リフォームに対して120万円を上限に補助されます。
【加算対象設備と補助金額】
蓄電システム 2万円/kWh(補助対象経費の1/3または20万円のいずれか低い額)
V2H充電設備(充放電設備)補助対象経費の1/2または75万円のいずれか低い額
燃料電池 1台につき2万円
太陽熱利用温水システム 液体式17万円、空気式60万円
高い省エネルギー性や耐久性のある木造住宅の普及を対象にした補助金制度です。
管轄は国土交通省で、同一地域の中小住宅施工会社や建材の流通を担う事業者が手がける住宅であることが条件となります。
補助金を受けとるためには、依頼予定の建築会社がこの事業の連携体制(グループ)に参加しているかどうか確認する必要があります。
【対象となる住宅と、支給上限額】
認定長期優良住宅/ZEH・Nearly ZEH 1住戸あたり140万円
認定低炭素住宅/ZEH Oriented 1住戸あたり125万円
【加算措置】
地域材加算 1住戸あたり30万円
地域住文化加算 1住戸あたり20万円
三世代同居/若者・子育て世帯加算 1住戸あたり30万円
バリアフリー加算 1住戸あたり30万円
LCCM(エルシーシーエム/ライフ・サイクル・カーボン・マイナス)住宅とは、建築時、運用時、廃棄時においてCO2削減に取り組み、太陽光発電などの再生可能エネルギーの創出によって建築時のCO2 排出量も含めたCO2の収支をマイナスにする住宅のこと。
ZEHよりもさらにCO2削減を進めた先導的な脱炭素化住宅です。
家のライフサイクル(新築・改修・解体・再利用まで)を通して二酸化炭素の発生を抑えた住宅に対して補助金が利用できます。
【補助率と補助額】
補助率:1/2
補助額:1住戸あたり140万円/戸
価格重視でローコスト住宅を選んだとしても1千万円以上の費用がかかる新築や注文住宅。
「安物買いの銭失い」にならないよう、性能も品質もしっかりと検討し、後悔のない選択をするようにオススメします。
性能のいい家はその分、快適であり、省エネ性能も高く、長い目で見るとコストパフォーマンスは良いかもしれません。
国の補助金等を賢く活用することで、費用負担の軽減も可能です。
詳しくは工務店や建築会社までご相談を。
親身になってアドバイスしてくれるはずですので、もらえるものはしっかりともらい、納得の家づくりを行いましょう。
2023.09.27
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