家の新築は人生で何度もあることではありません。「初めて」という方も多く、専門的な知識のない方がほとんどです。図面を見て理解したつもりでいても、「想像していたものと違う」「住み心地が悪い」ということも起こりがちです。とは言え、費やしたコストを考えると諦められるものではなく、簡単にやり直せるようなものでもなく、失敗すると取り返しがつかないことに。では、イメージしていたものとは違うという不満や実際に住んでみてわかった不便さを回避するには、どんな点に気をつければよいのでしょうか?今回は家を新築された方がどのような点で「失敗した」と感じているのかについて、また、そうならないための注意すべきポイントについてご紹介します。
家づくりにあたって、必要だと思う「広さ」や「部屋数」に縛られると、自分たちのライフスタイルや生活動線を無視した間取りになる可能性があります。広さは絶対的なものではなく、感じ方の問題。視線のつながり方や吹抜けなど、設計を工夫することで、実際の面積以上の開放感や広さを演出することができます。部屋数についても同様で、一つの用途に限定しないフレキシブルな間取りにすることで、少ない部屋数でも様々なシーンに対応できる住まいが可能になります。
第1子が生まれたばかりなのに、「子ども部屋は2部屋確保しないといけない」と考える必要ありません。子どもがその部屋を使うのは10年後。それなら、子どもが個室を欲しがったときに間仕切りを設置するとして、それまでは、雨の日に室内で走りまわれるような大空間のプレイルームにしたり、親子で楽しめるファミリーライブラリーやセカンドリビングとして活用したりする方が、使用頻度が増え、空間の有効活用につながります。他にも、玄関からキッチンのパントリーに直結する動線なら、買物帰りの重い荷物がすぐに片づいて便利ですし、帰宅したら手を洗い、ルームウエアに着替えてからリビングへ、という方なら、玄関の近くに洗面所があると便利です。このように、洗濯ひとつとっても、洗って干して、取り入れて、アイロンがけや畳んで収納するまでの一連の動作を考えたうえで、洗濯機を配置する場所や干す場所、収納スペースを計画しましょう。部屋数や用途にとらわれるのではなく、フレキシブルな発想で考えた間取りの方が、後で悔やむ必要がない家になることでしょう。
窓越しに光がたっぷりと入る家は、明るく爽やか。拡がる眺望が楽しめる立地なら、リゾートホテルで過ごすかのような開放感も生まれるでしょう。そのため「大きな窓を設置したい」「南側から光を採り入れたい」という要望は多いですが、周囲の視線が気になりカーテンを閉めっぱなしにされているお宅もあるようです。住宅密集地での建築では、お隣の窓の位置と同じ場所になり、視線が気になり窓を開けることができない、というケースも。そんな失敗を防ぐには、先に周囲に建物が建っている場合は、それに合わせて、自分たちの家の窓の配置を考えること。分譲地などで、建築が同時に計画される場合は、担当者に相談し、周囲の建物との調整を依頼しましょう。窓の配置や大きさ、周囲からの視線は、住み心地に大きく影響するため、親身になってくれる会社であれば必ず対応してもらえます。
先述した「フレキシブルな間取り」とも関連しますが、あとあと模様替えができないような間取りや、凝りに凝ったデザインも、後悔する一因となります。家は、今だけではなく、この先何十年と暮らす場所。家族の成長に合わせてライフスタイルは変わり、好みも変わります。今は何ともなくても老後は階段の上り下りが厳しくなるかもしれません。それなら、1階だけで暮らせる平屋風の間取りにしておくことも一案です。先述の子ども部屋も、仕切った時に間仕切り壁と干渉しないよう、エアコンの配管や窓、コンセント、電気スイッチの配置なども意識して計画しましょう。収納内部も造作棚で作り込んでしまわずに、あとから既製の棚やラックを置いたほうが収納する物に合わせて調整しやすいでしょう。
家が片づかない、落ち着かない、という原因として、モノの定位置が定まっていない、ということが考えられます。何をどこに収納するのかが明確になっていないのです。家族が集まるリビングには、パソコン、雑誌、ゲーム機などが多く、子ども用の文房具などの小物類が中心に。リビングで宿題をする子どもが多い昨今では、ランドセルもリビングの一角に収納できた方が便利かもしれません。帰宅後はルームウエアに着替えてくつろぐなら、コート掛けや一時収納用のクロゼットも必要となるでしょう。ひな人形や五月人形、スノーボード、ビニールプールなどの、かさばる物や季節大きな物は、きちんとサイズを測って決まった場所に収まるよう計画します。何を、いつ、どれぐらいの頻度で使うのかに合わせて収納を計画することは、限られた空間を有効活用するためには極めて重要です。家族の成長に合わせて思い出も物もどんどん増えていきますので、ゆとりのある収納スペースの確保が暮らしやすい住まいをつくります。
新築する際に失敗するかしないかは、結局のところ依頼先の知識と技術次第です。依頼先に知識や経験、技術がないと、「できません」と断られます。ただ、その「できません」は、本当にできないことなのか、単に知識や経験、技術がないだけなのか。依頼する側に専門知識がないことを良いことに、「できない」と片づけられてしまうことほど、納得がいかないことはありません。そんな悔しい目に遭わないためにも、豊富な実績のある会社を見つけましょう。注文住宅を多く手掛けている会社なら成功事例だけでなく、「もっとこうしておけばよかった」という後悔の声も蓄積されているはずです。また、設計だけ、施工だけを担当する会社ではなく、設計から施工、アフターサービスまで対応している会社の方が安心です。きちんとアドバイスをしてくれる提案力のある依頼先を見つけることが、新築での失敗を防ぐための近道といえるでしょう。
2021.03.28
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